前置詞
雰語では、場所・因果・関係性などの情報を付加する最も基本的な手段として前置詞が用いられる。
前置詞は、主に名詞句(物によっては節にも)に対して前置されることで前置詞句を形成する。前置詞句は節の一部として含めることができる他、名詞句を後ろから修飾することで新たな名詞句を形成することもできる。
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在其餐店(在 其 餐店)
そのレストランで [前置詞句]
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我食在其餐店。(我 食 在 其 餐店.)
私はそのレストランで食べる。[節の一部]
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働人在其餐店(働人 在 其 餐店)
そのレストランのスタッフ [名詞句の修飾]
前置詞句の移動
節の構成要素として含まれる前置詞句は、話題性や強調などの目的で先頭へ移動させることができる。前置詞句とそれ以降の区切りを示すために読点が挿入される場合もあるが、文の構造が複雑でなければ省略されることも多い。
- 食肉以刃 → 以刃食肉(以 刃 食 肉)ナイフを使って肉を食べる
- 我行湛帳家而記帳在去日。 → 在去日、我行湛帳家而記帳。(在 去日, 我 行 湛帳家 而 記 帳.)昨日、私は図書館に行って本を読みました。
主要部の省略
前置詞句が名詞句を主要部として修飾する場合、主要部が省略されることで単独の前置詞句のように見えながらも名詞句として振る舞うことがある。
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到汝庵為遠。(到 汝 庵 為 遠.)
あなたの家までは遠い。
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現掃建間天京来燦川。(現 掃建 間 天京 来 燦川.)
天京から燦川の区間を修理中です。
主要な前置詞
「在」
「在(在)」は、話題中で場所や時間を指す前置詞である。
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座在眠巾。(座 在 眠巾.)
おふとんに座る。
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衆談開在先日四時。(衆談 開 在 先日 四 時.)
会議が明日の四時に開かれる。
「行」
「行(行)」は、動作の目的地や目標を指す前置詞である。
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我現走行世端。(我 現 走 行 世 端.)
私は世界の果てへと走っている。
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蟾跳入行大海。(蟾 跳入 行 大 海.)
カエルが大きな海に飛び込む。
「向」
「向(向)」は、行動の目的や対象を指す前置詞である。
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団戦向解下人焉。(団 戦 向 解 下人 焉.)
我々は奴隷を解放するために闘うのだ。
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侶去談跨一時向其事。(侶 去 談 跨 一 時 向 其 事.)
彼はそのことについて一時間会話していた。
「元」
「元(元)」は、動作の起点となった場所や時間を指す前置詞である。
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汝来元何領如?(汝 来 元 何 領 如?)
あなたはどこ(どの地域)から来られたのですか?
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彼衆働在之商店元去年。(彼 衆 働 在 之 商店 元 去年.)
あの人たちはこのスーパーで去年から働いている。
「使」
「使(使)」は、動作の主体を指す前置詞である。受動文の動作主を指す場合にも用いられる。
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伴建新都使我衆。(伴 建 新 都 使 我衆.)
私たちで新しい街を建てよう。
「以」
「以(以)」は、動作の手段や付属物を指す前置詞である。
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解囊以交刃。(解 囊 以 交刃.)
ハサミで袋を開ける。