形容詞・副詞
修飾順
形容詞は名詞か形容詞に前置され、名詞句を形成する。また、強調すべき形容詞ほど前に置かれる傾向にある。
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大庵(大 庵)
大きい家
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糖倫味果(糖 倫味 果)
甘く美味しい果物
副詞は動詞、形容詞、副詞のいずれかに前置され、被修飾語を主要部とした句を形成する。副詞はそれ以後の文全てを修飾するため、修飾順によって意味が変わる場合がある。順序によって意味が変化しない部分では、形容詞と同様に強調すべき副詞が前に置かれる。
また、形容詞を修飾する副詞として代表的なものには「大(大)『とても』」がある。
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強戦(強 戦)
激しく戦う(動詞句)
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大清川(大 清 川)
とても清らかな川(名詞句)
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万定不言(万定 不 言)
絶対に話さない
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不万定言(不 万定 言)
必ず話すわけではない
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不万定言(不 万定 言)
比較
単純比較
雰語において複数の修飾語を比較する場合、前置詞「拠(拠)」の後に比較対象を置くことによって単純比較文を作ることができる。ただし一文中に修飾語が複数ある場合、それら全ての語に対して比較が行われていると解釈される。
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筆為強拠刃。(筆 為 強 拠 刃.)
ペンは剣よりも強し。
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侶好粘乳拠乾乳。(侶 好 粘乳 拠 乾乳.)
彼はチーズよりもヨーグルトを好む。
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訓人能走書美字拠知人。(訓人 能 走 書 美 字 拠 知人.)
先生は生徒よりも美しい字を、生徒よりも速く書くことができる。
文中の一部の修飾語のみを比較する場合、副詞「上(上)」を用いて比較部分を示す。
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訓人能上走書美字拠知人。(訓人 能 上 走 書 美 字 拠 知人.)
先生は美しい字を、生徒よりも速く書くことができる。
最上表現
雰語における最上表現は、対象の修飾語を副詞「頂(頂)」で修飾することで表現できる。比較の範囲となる領域や集合は、前置詞「在(在)」で表す。
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神旭山為頂上神山在栄国。(神旭山 為 頂 上神 山 在 栄国.)
神旭山は雰国で最も神聖な山である。
序列表現
この項は、将来の版で加筆される予定です。
主要な文法的副詞
雰語においては、他言語の時制や相・法・態などに相当する情報が主に副詞によって表現される。ここではそれらの副詞のうち、主要なものを列挙する。
「去」
「去(去)」は、完了や過去のニュアンスを持つ副詞である。以前の出来事であることを示す。
また、この副詞は発話/執筆時点ではなく、文中の時間を基準として捉えられる。そのため未来の話題においても、完了相に相当する表現では「去」が使用される。
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我庵去建在去日。(我 庵 去 建 在 去日.)
私の家が昨日建った。
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蒼仁去来行之在五時。(蒼仁 去 来 行 之 在 五時.)
蒼さんは五時には既にここに来ているだろう。
「先」
「先(先)」は、未来や将然のニュアンスを持つ副詞である。純粋に未来の出来事であることのみを指し、話し手の行動に対する意思は含意されない。
「去」と同様、時間は文中の時間を基準として示される。
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之道車先到在少分。(之 道車 先 到 在 少 分.)
この電車はあと数分で(目的地に)到着するだろう。
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蒼仁去来行之在五時。(蒼仁 去 来 行 之 在 五時.)
蒼さんは五時には既にここに来ているだろう。